2012年6月2日土曜日

超世無倫


反物質(antimatter)
旧ソ連:サハロフの先駆け

反物質ほど謎に満ちたものはないでしょう。
あればあるで恐ろしい存在になりますし、なければないで
この宇宙が存在できなかったことになります。

今日ではSF映画のあとを物理学が追いかけているような
状況ですのでSF作家ももっとがんばってより画期的な作品を
つくってくれたらかなり参考になります。

アイザック・アシモフがSF小説の先駆けと思いますが、
信号伝達に電子の反物質である陽電子を用いた人工脳に
よって動くロボットを考え出しています。

ジャック・ウィリアムソンは反地球物質を考案していますが
それなりに苦労したあとがうかがえます。

そしてジーン・ロッデンベリー� �スタートレックで反物質を
燃料として超高速で巡航する宇宙船を登場させました。
反物質を取り出すことは現在の大型ハドロン粒子加速器
CERNにおいても可能ですが微々たる量です。

物理学ではディラックの方程式でマイナスエネルギーである
解がでてきたためこの難題を取り除くために空孔理論が、
真空はすべてマイナスのエネルギー準位が電子によって
満たされている状態で、マイナスエネルギー準位の電子が
プラスのエネルギーに遷移したあとに真空にできた空孔が
電子の反粒子である陽電子となるように説明しています。

しかし最近主流になっている量子論なら場のマイナス
エネルギー状態を仮定しなくても反粒子の存在をごく自然に
対象とすることができます。

反粒子は電子に 限ったことではなく物質を構成するすべての
素粒子に反粒子が存在しますので量子論の方が説明も
理解も早くなります。

旧ソ連の水素爆弾開発責任者であった物理学者のアンドレイ・
サハロフはCP対称性がわずかに破れることで物質が反物質
よりもわずかに多くつくられる可能性があることをことを示して
います。理論物理学の分野ですがサハロフはその先駆けでした。