- カリフォルニア州
- State of California
-
- 州の愛称: ゴールデンステート
The Golden State -
カリフォルニア州(California、英語発音: /ˈkælɨˈfɔrnjə/ 、略号:CA)はアメリカ合衆国西部、太平洋岸の州。アメリカ西海岸の大部分を占める。州都は、サクラメントである。
合衆国の州のうちでは最大の人口を誇り[1]、大統領選の選挙人数も最多である。ブラジルのサンパウロ州に続いて南北アメリカ大陸で2番目に人口の多い行政区画である。大都市は人口の多いものからロサンゼルス、サンディエゴ、サンノゼ、サンフランシスコとなっている[2]。州内には全国で2位(ロサンゼルス)と6位(サンフランシスコ・ベイエリア)の都市圏があり、人口の多い都市50傑には8つの市が入っている。
ワシントン州、オレゴン州と共にリベラルな気風で、保守的な中西部に対して「レッドウッド・カーテンの向こう側」と称される。
かつて日本では漢字で「加利福尼亜」と表記されることもあったが、現在ではあまり用いられない。この略である「加州」は、新聞の見出しのような字数制限のある場合など、現在でも用いられることがある。なお、「州」がない「加」一文字の場合はカリフォルニア州ではなくカナダの略称である。
カリフォルニア州は多様な気候と地形があり、また多くの民族が住んでいる。合衆国の州のうちで面積ではアラスカ州とテキサス州に次いで3番目である[3]。北はオレゴン州、北東はネバダ州、南東はアリゾナ州に接し、南はメキシコのバハ・カリフォルニア州に接している。地理的には太平洋岸から東のシエラネバダ山脈まで、南東はモハーヴェ砂漠、北西にはセコイアやベイマツの森林がある。州の中央には世界でも最大級に生産性の高い農業地帯、カリフォルニアセントラルヴァレーがある。アメリカ合衆国本土では最高の標高地点(ホイットニー山)と最低の地点(デスバレー)がある。面積のおよそ40%は森林であり[4]、比較的乾燥した地域としては森林が多い。
18世紀の後半からアルタ・カリフォルニアと呼ばれた地域はスペイン帝国の植民地となった。1821年にアルタ・カリフォルニアを含みメキシコが第一メキシコ帝国となって帝政を布いた後に共和国に変わった。1846年、ソノマにいたアメリカ人開拓者の集団がカリフォルニア共和国の独立を宣言した。その直後の米墨戦争の結果、メキシコはカリフォルニアをアメリカ合衆国に割譲した。カリフォルニアは1850年9月9日にアメリカ合衆国第31番目の州となった。
19世紀半ば、カリフォルニア・ゴールドラッシュによって、カリフォルニアでは社会、経済および人口に劇的な変化が起こった。人々が流入し好景気が訪れたことでサンフランシスコはテントの集まった小村から世界にも知られたブームの町に成長した。20世紀初期の重要な発展としては娯楽産業の中心としてのロサンゼルスの勃興と巨大な州全体に広がる観光産業があった。豊かな農業に加えて航空宇宙産業、石油産業および情報技術が経済発展に貢献した。
カリフォルニア州が1つの国であるとすれば、GDPではイタリアに匹敵する第10位である。人口でも第35位、国土では第59位になる。
カリフォルニア州では一部地域の分離・独立の試みが繰り返し行われており、1800年代から2011年までに少なくとも27回が失敗に終わっている[5]。
詳細は「カリフォルニア州の歴史」を参照
「スペインによるアメリカ大陸の植民地化」および「メキシコ独立革命」も参照
サンフランシスコ・ベイエリアを中心とする北部と、農業が盛んな中部、ロサンゼルス~サンディエゴ帯を中心とする南部に分かれる。ベイエリアにはシリコンバレーが含まれ、全米で最も経済的に進んだ地域のひとつである。ロサンゼルスはハリウッドを抱えるなど、エンターテイメント産業の世界的中心である。
アジアやメキシコに近いため、移民が多い。移民はそれぞれの居住区に固まる傾向が強く、「民族のサラダボウル」という形容が当てはまる。チャイナタウン、コリアンタウン、リトルトーキョー、リトルサイゴン、リトルインディアなどが有名である。なかでも隣接したメキシコからの移民が多く、スペイン語は州準公用語となっている。
南部の多くはかつてメキシコの領土で、元々はスペイン人によって開拓されたが、1848年の米墨戦争の結果、ニューメキシコとともにメキシコからアメリカに1,500万ドルで割譲され、アメリカ領となった(同時にテキサスのアメリカ領有も確定した)。そのため、カリフォルニア州にはスペイン語由来の地名が非常に多い。
後にアメリカ合衆国大統領となった、ロナルド・レーガンはカリフォルニア州知事を経験している。2003年10月には、俳優でオーストリア生まれのアーノルド・シュワルツェネッガーが州知事に当選し、2011年1月まで勤めた。
[編集] 名称の由来
「カリフォルニア」という名称は当初、今日のカリフォルニア州に加えてネバダ州、ユタ州、アリゾナ州およびワイオミング州の一部とメキシコのバハ・カリフォルニア半島からなる地域を指していた。
カリフォルニアの語源は黒人のアマゾン族の人々が住み、女王カリフィア(恐らくはカリフが語源[6])が支配する空想上の天国から派生したというのが最も普通に信じられている。カリフィアの神話は、スペイン人冒険家で作家のガルチ・ロドリゲス・デ・モンタルボによって騎士道物語『アマディス・デ・ガウラ』の続編として書かれた1510年の作品『エスプランディアンの功績』に記録されている[6][7][8]。モンタルボに拠れば、女王カリフィアの王国はグリフォンなど奇妙な怪獣が住み、金が豊富な遠隔の土地であるとされていた。
ご存知のようにインドの右手にはカリフォルニアという名前の島があり、地球上の天国の一部に大変近い。黒人の女性が住んでおり、一人も男は居ない。アマゾン族の様式で生活している。彼女達は頑健な体をしており、強く情熱的な心と偉大な美徳がある。この島自体は目立つゴツゴツした岩のために世界でも最も荒々しい島の一つである。その武器は全て金で作られている。島のどこにも金や高価な石で溢れ、その上に他の金属は見つからない[9]。
カリフォルニアという地名はアメリカ合衆国でヨーロッパ人が着けた地名としては5番目に古く今も使われているものであり、エルナン・コルテスの命令で1553年にバハ・カリフォルニアの南端に上陸したディエゴ・デ・バセラとフォルトゥン・ヒメネスが率いたスペイン遠征隊によって「カリフォルニア島」として命名された。[10][11]。
詳細は「カリフォルニア州の地理」を参照
アメリカ大陸の西部、シエラネバダ山脈の西側の太平洋に面した地域である。環太平洋造山帯に含まれ度々マグニチュード8クラスの地震を経験している。
州は南北に長い形状で、最南端の都市サンディエゴにはメキシコとの国境があり、不法移民の入国も絶えない。北部はオレゴン州に、東側はネバダ州・アリゾナ州に隣接している。
州の中央にはカリフォルニアセントラルヴァレーがあり、西の海岸山脈と東のシエラネバダ山脈に、北はカスケード山脈、南はテハチャピ山地に囲まれている。セントラルヴァレーはカリフォルニアの農業中心であり、国内食糧生産高の約3分の1を生産している[12]。セントラルヴァレーはサクラメント=サンホアキン・デルタによって2つに分かれており、北側のサクラメント・バレーにはサクラメント川が流れ、南側のサンホアキン・バレーにはサンホアキン川が流れている。どちらのバレーもそこを横切る川の名前が採られている。サクラメント川とサンホアキン川を浚渫することで両川は十分な深さが保たれ、内陸の都市幾つかでも海港になっている。そのデルタは州内の重要な水の供給源にもなっている。水はデルタ地域から汲み上げられ、セントラルバレー・プロジェクトや州水道プロジェクトなどを含み、州の長さに相当するような広範な運河網を使って運ばれる。デルタ地帯からの水は州人口の3分の2にあたる2,300万人近い住人の飲料水になり、サンホアキン・バレー� ��西では農業用水になっている。南部海岸にはチャンネル諸島が浮かんでいる。
シエラネバダ山脈(スペイン語で雪の山脈)にはアメリカ合衆国本土では最高峰であるホイットニー山(標高14,505フィート、4,421 m)がある[13]。この山脈には、氷河が削ったことで有名なヨセミテ・バレーや、地球上最大の生物セコイアの木で覆われたセコイア国立公園、貯水量で州内最大の淡水湖タホ湖がある。
シエラネバダ山脈の東には渡り鳥の生息地オーエンズヴァレーとモノ湖がある。州西部には水面積で州内最大のクリア湖がある。タホ湖の方が大きいがカリフォルニア州とネバダ州の州境で分けられている。シエラネバダ山脈は冬季に北極並みの気温まで下がり、アメリカ合衆国では一番南にあるパリセイド氷河など、多くの小さな氷河も残っている。
州内陸地表面積の約45%は森林で覆われており、アラスカ州を除けばアメリカ合衆国の州で最も森林の多い州である。松類の多様さは他の州に無いものである。カリフォルニアホワイト山地の樹木の多くは世界最古のものである。ブリストルコーン松の場合は樹齢4,700年のものがある。
南部には大きな内陸塩湖であるソルトン湖がある。中南部の砂漠はモハーヴェ砂漠と呼ばれている。その北東にデスバレーがあり、北アメリカでは最も低く、最も暑い地点、バッドウォーター・ベースンを含んでいる。デスバレーの最低地点からホイットニー山の最高地点までの距離は200マイル (320 km) に満たない。南東部の大半は乾燥して暑い砂漠であり、夏季には極端に高い温度を記録することが多い。
カリフォルニア州海岸に沿って、ロサンゼルス大都市圏、サンフランシスコ・ベイエリア、サンディエゴなど幾つかの大都市圏が並んでいる。
カリフォルニア州は環太平洋火山帯の一部であり、津波、洪水、旱魃、サンタアナ風(偏西風)、山火事、地すべりおよび幾つかの火山活動など自然災害が多い。南部から西部にかけてのサンアンドレアス断層など幾つかの断層のために比較的震源が浅い地震(直下型地震)が多い。
ヨセミテ国立公園、デスヴァレー国立公園など特徴のある著名な国立公園が随所にあり、年中多くの人々を楽しませている。
州土は日本全土より約46000km²(北海道の約半分程度)ほど大きい。
[編集] 気候
詳細は「カリフォルニア州の気候」を参照
気候は主にまばゆい太陽が輝き乾燥した夏と冷涼で雨の多い冬の地中海性気候の地域が多く、また亜寒帯気候に入る地域まである。冷たいカリフォルニア海流のために海岸近くで霧が発生することが多い。降水量は多くなく、シエラネバダ山脈に降った雪解け水の伏流水を井戸で汲み上げているところが多い。しかし急激な人口増加で新たな水源の確保が課題となっている。
州の形状や長い海岸線、高低差などのために、州の南端と北端または海岸部と内陸部ではかなり気温や気候が異なることがある。内陸部では寒い冬と暑い夏がある。そのため、南部の海岸でサーフィンをする人がいる一方、内陸の山地帯ではスキーをする人がいたりもする。
州北部は南部よりも年間降水量が多い。山岳部も気候に影響する。州内で雨の多い場所は山岳の西側斜面である。北西部は温暖な気候であり、セントラルヴァレーは地中海性気候だが海岸部よりも温暖差が激しい。シエラネバダ山脈など高山では、冬は雪の多い山岳気候であり、夏は比較的過ごしやすい暑さになる。
山岳部の東側は雨蔭となり、広大な砂漠を生んでいる。東部の高度が高い砂漠では夏に暑く冬は寒いが、南部山岳の東にある低地砂漠は暑い夏とほとんど霜の降りない温暖な冬となる。海面より低い所が広がるデスバレーは北アメリカで最も暑い場所と考えられている。1913年7月10日に西半球での最高温度 134°F(57℃) を記録した。
[編集] 生態
カリフォルニアは世界でも最も豊かで最も多様な地域の一つであり、最も絶滅が危惧される生態系も幾つかある。生物地理区では新北区に属し、多くの生物地理学的地域に跨っている。
カリフォルニアには数多い固有種がおり、カタリーナ・アイアンウッド(Lyonothamnus floribundus)のような、他所では死に絶えた遺存種が残っている。カリフォルニア・ライラック(Ceanothus)のように多様な生息条件を利点にして、共通の祖先から多くの種が派生した分化あるいは適応放散によって発生した固有種が多い。カリフォルニアの固有種の多くは、都市化、伐採、過放牧および外来種の導入がその生息地に侵入することで絶滅が危惧されている。
カリフォルニの植物相の集合には幾つか最上級のものがある。最大の樹木(セコイアデンドロン)、最高の樹木(セコイア)および最古の樹木(ブリストルコーン松)である。野草は多年生植物である[14]。ヨーロッパ人が到来して以降、これらは概してヨーロッパの一年草外来種に置き換わってきた。現代ではカリフォルニアの丘陵は夏に特徴ある金茶色に変わる。
[編集] 河川
カリフォルニア州内の最も著名な河川はサクラメント川、ピット川およびサンホアキン川である。どれもシエラネバダ山脈の西斜面からセントラルヴァレーを流れ、サンフランシスコ湾を通って太平洋に流れ入る。その他重要な河川は北部のクラマス川とトリニティ川、南東部州境のコロラド川である。オーエンズ川はシエラネバダ山脈の南東斜面から流れ出てオーエンズ湖に流れ込んでいる。イール川とサリナス川はそれぞれサンフランシスコ湾の北と南で海岸に注いでいる。モハーヴェ川はモハーヴェ砂漠の主要水路であり、サンタアナ川はトランスバース山脈から流れ出て州南部を横切っている。
[編集] 人口動勢
詳細は「カリフォルニア州の人口動態」を参照
[編集] 人口
人口推移 |
---|
年 | 人口 | 変動率 |
---|
1850 | 92,597 | — |
---|
1860 | 379,994 | 310.4% |
---|
1870 | 560,247 | 47.4% |
---|
1880 | 864,694 | 54.3% |
---|
1890 | 1,213,398 | 40.3% |
---|
1900 | 1,485,053 | 22.4% |
---|
1910 | 2,377,549 | 60.1% |
---|
1920 | 3,426,861 | 44.1% |
---|
1930 | 5,677,251 | 65.7% |
---|
1940 | 6,907,387 | 21.7% |
---|
1950 | 10,586,223 | 53.3% |
---|
1960 | 15,717,204 | 48.5% |
---|
1970 | 19,953,134 | 27.0% |
---|
1980 | 23,667,902 | 18.6% |
---|
1990 | 29,760,021 | 25.7% |
---|
2000 | 33,871,648 | 13.8% |
---|
2010 | 37,253,956 | 10.0% |
---|
2009年現在、その人口は36,961,664人と推計され、国内で13番目に増加率の高い州である。前回2000年の国勢調査から3,090,016人増えており、自然増(出生5,058,440、死亡2,179,958[15])並びに州内への移住者純増306,925人が含まれている。アメリカ合衆国外からの移住で1,816,633人増加し、合衆国内部への移住で1,509,708人減少した[15]。
カリフォルニア州は最も人口の多い州であり、アメリカ合衆国人口の12%を占める。人口においてアメリカの上位50都市の8都市を有している。ロサンゼルスは人口3,833,995人(2008年推計[16])と合衆国内で2番目の大都市である。以下、サンディエゴ(7位)、サンノゼ(10位)、サンフランシスコ(12位)、フレズノ(36位)、サクラメント(37位)、ロングビーチ(38位)、オークランド(44位)と続く。ロサンゼルス郡の人口は9,862,049人とアメリカ合衆国の郡では最大であり、国内42の州よりも多い[17][18]。州の人口重心はバトンウィロウ(国勢調査指定地域)がある、カーン郡となっている[19][20]。